朝まで心地よく眠れたら、起きてから気分よくスタートできます。
前日の疲れがとれ、その日の活力を蓄えることができていますからね。
ところで・・・
「食べ物と飲み物が睡眠に影響していることをご存知ですか?」
睡眠の質を上げるには、食べ物や飲み物が重要です。
どんな食事なら安眠できるのか、まとめてみました。
安眠できる食事のポイント
朝食を必ずとって、おなかの体内時計を目覚めさせます。
また、夜になって睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌が増えるよう、その材料となるトリプトファンを含む食材を朝からとりいれます。
タンパク質と炭水化物、ビタミン類のバランスがとれた食事にします。
夕食は就寝3~4時間前にをすませ、それ以降にカフェイン入り飲み物やアルコール飲料は避けましょう。
安眠するには朝食を必ずとる
特別な場合の除き、起きる時間を決め朝食を必ずとるのがいいですよ。
体内時計をリセットするには、太陽光をしっかりと浴びることが必要です。それとともに朝食をとり、おなかの体内時計「腹時計」も目覚めさせます。
この食事が日中の活動のためのエネルギー補給になります。活動量が多いほど睡眠物質を脳にたくさんためることができ、睡眠の質を上げることができますからね。
朝食には、タンパク質と炭水化物、ビタミン類をとりましょう。タンパク質で下がった体温を上げ、炭水化物で脳へのエネルギー補給をします。そして、ビタミン類で体調を整えるのです。
そのとき眠りを促すトリプトファンの含まれた食品を選びます。(トリプトファンの詳細は後述)
いままで朝食をとる習慣がなかったら、徐々に朝食の量を増やすようにしましょう。牛乳や豆乳などの飲み物から始め、果物やシリアルを取り入れ、慣れてきたら少しずつメニューを増やします。
夕食は消化の良い料理を腹八分目
夕食は脂肪分の多いものやスパイシーな食べ物はさけ、消化の良い料理を腹八分目にします。それが肥満の防止にもなります。
そして、タンパク質と炭水化物をバランスよくとることを心がけましょう。
食べ物の消化時間を考えて就寝3~4時間前までに夕食を済ませるようにします。少なくとも就寝の1時間前からは何も食べないほうがいいですよ。
その理由は、胃腸が消化活動に忙しいと熟睡できないからです。
睡眠の質をあげる栄養素と食材
メラトニンというホルモンの働きで夜眠くなります。徐々にメラトニンの分泌が増え、夜中に最大となります。
このメラトニンの材料になるのがセロトニンで、日中にしっかりと分泌される必要があります。
セロトニンの素が必須アミノ酸「トリプトファン」で、眠りを促す食べ物の成分として最も知られています。
ただ、体内では作ることができず、食物から摂ることが必要になります。
トリプトファンは肉や魚類、卵やチーズなどの乳製品といった動物性タンパク質に多く含まれています。他には豆腐や納豆などの大豆製品、バナナやアボカド、ナッツ類やチョコレートなどにもトリプトファンが多く含まれます。
セロトニン生成には、ビタミンB6と一緒に摂取するとより効果がでます。ビタミンB6は、サンマやイワシなどの魚類や肉、レバーやバナナなどからたくさん摂れます。
そして、トリプトファンが脳内に取り込まれるのを助けるのが炭水化物です。穀類やいも類、果物や砂糖などに含まれています。セロトニンが不足すると炭水化物を欲しくなるけれども、砂糖の摂りすぎに注意しましょう。
なお、納豆にはビタミンB12がたっぷり含まれています。ビタミンB12は自律神経を安定させるのに必要な成分です。また、ノンレム睡眠とレム睡眠のリズムを調整する働きもあります。
ビタミンB12を含むほかの食材として、アサリや牛乳、レバーやイワシなどがあります。
レタスにもメラトニンのような働きをし、鎮静や催眠効果があるラクッコピコリンという成分が含まれています。
効率的にラクッコピコリンを摂取するには、レタスをまるごとジュースにしてください。好みでレモンやハチミツを入れます。
イライラして寝つけないとき不足している栄養素と食材
カルシウムやマグネシウムが不足すると、イライラして眠れなくなります。
これは疲労物質の乳酸に原因があります。激しい運動だけでなくストレスによっても乳酸が体内にたまります。
この乳酸が、カルシウムの働きを弱めたり、メラトニンの分泌を妨げます。そのため眠れなくなるのです。
マグネシウムは、カルシウムの吸収をサポートします。セロトニンが作られるときにも必要となります。
カルシウムを多く含む食材は、牛乳やチーズ、ひじきや小魚、ほうれん草や小松菜、玄米やキヌアです。
マグネシウムは、青菜類やナッツ類、豆腐などの食材に含まれています。
寝る前におすすめの温かい飲み物
寝る前に飲むなら、体を温めることのできる飲み物を選びましょう。
手軽な飲み物なら白湯で、胃腸に負担をかけません。
ホットミルクなら体温が一時的に上がり、そのあと下がりやすくなります。すると身体が眠りにつきやすい状態となるのです。
ミルクのかわりに豆乳にするのも良いですね。女性の美容に役立つ栄養素のイソフラボンが含まれていますからね。
なお、牛乳には睡眠効果のあるペプチドをはじめ、遊眠作用のある物質がいくつも含まれます。イライラを抑えるカルシウムも豊富です。
それに牛乳と豆乳にはトリプトファンが含まれています。ただ、メラトニンに変化するまで時間がかかるので、すぐ眠りを促すことにはなりません。
生姜湯は体の隅々まで温めてくれ、睡眠の質が高まります。
カモミールティーはノンカフェインで、心身をリラックスしてくれる香りがあります。リラックスしてくれるため、ヨーロッパでは不眠症対策に使われていました。交感神経優位から副交感神経へ切り替え、眠気がおこさせるのに効果的です。
飲み物を摂りすぎるとトイレに行きたくなるので、自分にあう量を確かめながら飲んでください。
安眠するには避けたほうがいい飲み物
コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含んだ飲み物は、夕食以降は控えましょう。
それにチョコレートやココア、一部の栄養ドリンクにもカフェインが含まれています。
睡眠薬がわりの寝酒には要注意。寝酒するとアルコールの量が増えて、アルコール依存症になる危険性が高いのです。
お酒は、適量を眠る3時間前までに飲み終えたほうがいいですね。
アルコール飲料は寝つきが良くなる反面、睡眠が浅くなります。それにお酒の利尿作用でたびたびトイレに行くと、ぐっすり眠れません。
まとめ
睡眠の質を上げる食べ物と飲み物をまとめました。
安眠したいなら、その準備は朝から始まっています。朝食をとり、お腹の体内時計をリセットしてください。
このとき、眠りを促すトリプトファンの含まれた食品を必ずとりましょう。朝とったトリプトファンによって徐々にメラトニンの分泌が増え、夜になると眠気が起こり寝つきが良くなります。
肉や魚類、卵やチーズなどの乳製品、豆腐や納豆、バナナやアボカド、ナッツ類やチョコレートなどにトリプトファンが多く含まれます。
朝食のときまず、こうしたトリプトファンが多く含まれる食べ物や飲み物を取り入れてみてください。