睡眠の質が高ければ起きたときスッキリした気分となり、日中の活動も積極的になります。
ところが、睡眠不足だと気分も身体もおもくなり、腰が引けることが多くなります。
なぜ安眠できないのか。その原因と影響をまとめてみます。
安眠できない原因
人生の3分の1ほども占める睡眠。安らかにぐっすり眠ることができた状態とはどんな状態なんでしょう。
例えば、このようなことでしょうか。
- 寝入りがよく、深く眠ることができる
- スッキリ目覚めることができる
- スカッとして朝から気分爽快!
- 日中の眠気や倦怠感で困らない
- 効率が上がり、判断力もさえている
こんな状態になれれば、毎日楽しく生活できます。
なぜ安眠・快眠できないのか、その原因を調べてみました。
ストレスで眠れない
ストレスを感じていないと思っている方でも、実はそうではなかったりします。光や音、温度などの生活環境をはじめ、仕事や勉強、人間関係や家庭問題などからストレスが起こっています。
ただ、心身を安定した状態に保とうとするホメオスタシスにより、あまり気にしないで生活できているのです。しかし、限界を超える強いストレスが続くと、体にいろいろな変調が現れます。
その一つが睡眠障害で、よく眠れなくなります。また、身体的な変調だけでなく、うつ病や自律神経失調症などにもつながりますよ。
自律神経の乱れから満足に眠れない
自律神経には交感神経と副交感神経があります。寝ているとき副交感神経が優位になっています。しかし、この自律神経のバランスが乱れ交感神経が優位になると、質の高い睡眠がとれなくなります。
- 生活のリズムの乱れ
- 環境の変化
- ストレスに弱い体質や性格
- 女性ホルモンの影響
などから交感神経が優位になり、副交感神経が押さえられ眠りが浅くなるのです。
体内時計のズレから眠れなくなる
時差ぼけやシフト勤務、不規則な生活習慣や夜更かしなどによる昼夜逆転した生活により、体内時計が乱れると睡眠に影響があります。
一般的に太陽の動きに合わせて朝に起き、日中は仕事や勉強などで活動的に過ごし、夜は眠るというサイクルです。この生活リズムが健康を維持するための体内時計として機能します。
しかし、いろいろな理由から体内時計が乱れると、交感神経から副交感神経への切り替えが上手くいかず睡眠に影響がでます。これを「概日リズム睡眠障害」といいます。
病気の症状から浅い眠りで睡眠不足
夜間や睡眠時に現れる病気の症状から、眠りが浅くなったり眠れなくなります。例えば、こんな症状です。
- 睡眠時無呼吸症候群による身体の酸欠状態
- アレルギー疾患やジンマシンによるかゆみ
- ぜんそくや気管支炎など呼吸器疾患による咳や発作
- 脚の違和感が起こる脚ムズムズ症候群
- 心臓病や高血圧で胸苦しさ
- 糖尿病、関節リウマチ、胃炎など痛み
- 腎臓病や前立腺肥大、過活動膀胱による夜間頻尿
- 脳出血や脳梗塞などの後遺症
- 明日に備えようと不安感が高まり一層眠れなくなる精神生理性不眠症
就寝前に飲食で眠れなくなる
就寝前に食べたり飲んだりすると、睡眠によくない影響がでるものがあるので注意しましょう。
コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含んだ飲み物。
タバコに含まれるニコチンは、カフェインよりも強い興奮作用があります。それに、喫煙者が目覚めときの疲労感が非喫煙者の4倍という情報もあるのです。
お酒は寝つきはよくなるものの、アルコールが分解され血液の中の濃度が下がってくると眠りが浅くなります。また、尿の量を増やのでトイレに行きたくなり、目が覚めてしまいます。
ご飯やパスタなどたっぷりの糖質が多い食生活だと、夜間の血糖値が乱高下し睡眠の質が悪くなります。
基本は、就寝3~4時間まえまでに食事は終えることです。
睡眠不足の影響
寝ることによって一日の疲れを回復させ、翌日の行動の活力を蓄えています。しかし、睡眠は寝だめで返済できません。睡眠不足により疲れの回復と活力を得られなくなります。
一時的な不足なら良いのですが、慢性化してしまうと睡眠負債に陥ります。睡眠不足から、以下のようなことが我々の体に現れるので注意が必要です。
日常生活への悪影響
睡眠不足から集中力や記憶力の低下で、仕事や勉強のパフォーマンスが落ちます。仕事によっては事故が増加するリスクがでてきます。
増加したストレスを睡眠で整理できないため、次の日に残る負の連鎖が起こるかもしれませんよ。このストレス解消に過剰な食欲や飲酒、喫煙で補うようになると、生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・高血圧)につながることにもなります。
睡眠不足が身体にどんな影響するのか?
睡眠不足だと疲労感や倦怠感、頭痛といったものが起きます。
太りやすい高カロリー食品や炭水化物を欲しくなったり、食欲が増します。新陳代謝が鈍くなり、どちらも体重増加を引き起こす原因につながります。改善できずに続くと肥満や病気の心配が出てきます。
睡眠不足から交感神経が優位になり血圧や心拍数を上昇させ、高血圧などの循環器系疾患のリスクが高まるので、肥満ともに生活習慣病への注意が必要です。
ほかにも睡眠時無呼吸症候群や脚ムズムズ症候群(レストレスレッグス症候群)、腎不全や肝臓病、うつ病やアルツハイマー型認知症などが心配になります。
交感神経が優位だと心身は常に興奮した状態で、ゆっくりと休むことができませんから自律神経失調症にも注意が必要です。
それに免疫システムが低下するので、より感染症にかかるリスクも高まります。
まとめ
意識していなくてもいろいろなストレスを感じ、睡眠の質に影響しているのに気づいていないことがあります。
また、シフト勤務や不規則な生活習慣などから昼夜逆転した生活で、体内時計が乱れると満足に眠れなくなります。
体内時計をリセットするには、あさ決まった時間に起き、朝日にあたるのが一番です。
また睡眠不足から免疫力が低下し、カゼを引いたり、ほかの病気にもかかりやすくなります。もし、たびたびカゼをひくようだしたら、自分の生活を見直してみてください。