青シソの水耕栽培のいきさつと栽培手順
青シソの水耕栽培は簡単で、道具や材料も身の回りにあるものを利用できる。
青シソの水耕栽培のいきさつ
ウォーキングしているとまわりの家庭菜園に青シソの小さな苗がいっぱい芽をだしている。
青シソって畑で一度作ると、翌年になると種がアチコチに散って発芽し厄介なものなんだ。
土地を手放してから家庭菜園がなくなり、安易な気持ちでプランター栽培しようとした。
野菜作りの上手な先輩に頼んで頂いた青々とした青シソ。すごく美味しくて喜んでいたのはつかの間で害虫に襲われ全滅。
畑にはいろいろな植物があるので分散されるけど、こちらは一点集中だから防虫対策が大変。
青シソが好きな虫が集まり、相手はかなり手強いので、こちらが手を上げた。
青シソが大好きなんだけど、スーパーのものは食べたくないし、ネットで調べると水耕栽培でできるとわかり始めた。
青シソのいいところは陰性野菜なので、光が少なくても育ち、少ない日照時間の我が家のキッチンでも水耕栽培ができるのがいい。
ちなみに、うちは北側の部屋の西の出窓に青シソをおいている。

栽培手順
青シソの水耕栽培法は、以下の順で行う。
①容器にバーミキュライトをいれ水で全体を湿らせる。
そこに種まきし、青シソは向光性種子だから光があったほうがいいので、バーミキュライトを薄くかける。

バーミキュライトが乾かないように水で湿らせておき発芽を待つ。
②双葉がでて根が伸びてきたら、水耕栽培ポットにいれて液肥入り育苗箱に移し育てる。


今回、市販の水耕栽培ポットは小さな苗を扱いやすいので利用したけど、100均の適宜切断したスポンジだけでも良い。ただ、苗が小さいのでスポンジで根を挟むとき注意が必要だ。
今回はバーミキュライトに種まきする方法をとったけれども、水耕栽培ポットのスポンジに2~3粒ずつ種まきする方法をとることもある。

(この写真はバジルの苗)
どの程度発芽するかわからないけど、1ポットに1本になるよう間引きすれば、作業が今回の方法より簡略できる。

液肥というのは、水耕栽培用のもので「微粉ハイポネックス(500g)」の粉末を水でとかし、倍率1000倍で利用する。

2Lのペットボトルに付属の2g計量スプーン1杯をいれてよく振って溶かすと液肥ができる。

ほかの液肥として「協和 ハイポニカ液体肥料 500ml(A・Bセット)」もあるけど、自分は使っていない。
③葉の数が増え、根が他に絡み合うようになったら、栽培用容器に1本ずつ移植。今回は1リットルのペットボトルを使う。


(この写真はバジルの苗)
④液肥の量が不足しないように注意しながら育て、葉が大きくなったら収穫する。


青シソ水耕栽培実例2025年

種まきから発芽、育苗箱に移植するまで
2025年の青シソの水耕栽培は「3月25日」に種まきをする。
種が有効期限切れで発芽率が悪そうなので多目に撒いた。

結果は9日目に2本、11日目に9本目、14日目に16本目、20日目に33本目が発芽した。
双葉がでて葉が大きくなってきたら、液肥の入った育苗箱に移植する。

葉が小さくても根が伸びていたら移してもいいので、青シソの苗を持ち上げて根を確認する。

大きく育ちすぎると根が絡んでいるので作業がやりにくくなるので、根を切らないよう注意しておこなう。
成長に差がでるので根が5センチ以上伸びたものから育苗箱に移す。
数が増えると根が絡んでいるので注意しながら1本ずつほぐし、根についたバーミキュライトを水洗いしておく。
まだ発育不十分なものはバーミキュライトでそのまま育てる。
徒長
徒長なんて植物に興味のない方には聞き慣れない言葉なんだよね。
野菜によっては徒長しやすいものもあるようだけど、自分が畑で野菜を作っていたとき気にしていなかった。
原因はいくつかあるみたいだけど、水耕栽培していると日当たり不足で、もやしのようにヒョロヒョロ伸びてしまうことが多いみたいだ。
発芽したらできるだけ早い時間に陽に当てるといい。
青シソの種まきして直射日光の当たらない窓際に置いて発芽を待ち、そのまま大きくなるのをみているだけで、いままで徒長して困ったことがなかった。
ほかの野菜の水耕栽培の場合、徒長すると困ることがでてくる。
育苗箱について
今回、バーミキュライトに種まきして1リットルのペットボトルで栽培する。その過程で苗を大きく育てるために育苗箱をつかう。

数が少なかったら育苗箱を省いてすぐにペットボトルなどで栽培してもいい。
苗が小さなうちから液肥をたくさん必要だったり、スペースもとるし、苗がうまく育たないこともあるので育苗箱を使うことにした。
育苗箱は手元にある材料を利用すればなんでもいい。
ただ、液肥を使いはじめると藻が生えやすいので、光がはいらないようアルミシートやアルミホイルなどでカバーが必要。
今回、液肥は微粉ハイポネックスを水で溶いたものを使い、100均で買ってきたプラスチックの箱と家にあった発泡スチロールをフタに利用した。
苗は市販の水耕栽培ポット(35mm)にいれるので、フタにはそれが差し込める穴をあける。
箱とフタには藻の発生を防ぐためアルミシートやアルミホイルを張り、フタの穴部はカッターなど取り除く。
ポットを10~14個ほど差しこめるようにしてあるけど、根が伸びると絡むので半分くらいしか使わない。根が伸びたものは、栽培容器にどんどん移動させたほうがいい。
青シソの茎に水耕栽培ポットに合うスポンジをまき、根をまっすぐ伸ばしながら水耕栽培ポットの中にいれた。
今回は水耕栽培ポットとセットになっていたスポンジを利用したけど、100均の台所用スポンジをハサミで切り代用できる。
育苗箱には前もって液肥を入れておき、水耕栽培ポットをフタの穴に根のズレに注意しながら差し込む。

最後に根もしくはスポンジが液肥に浸かっていることを確認しておく。

液肥が減る量は苗が小さいので多くはないけど、根が液肥につかっているかどうか育てながら注意する。
育苗箱で葉が何枚かついてくると、根が伸びてきてお互いに絡みあうので別々の栽培容器に移植したほうがいい。
育苗箱から栽培容器に移植し栽培

今回、加工してものが多数あるので1リットルのペットボトルを使うことにした。
栽培容器として、牛乳やお酒の紙パック、発泡スチロールの箱、ペットボトル各種など液肥が入れられ青シソの苗がセットできるものなら何でも良い。
ただ縦長容器は、大きく育ってくると転倒すやすくなるので注意する。
普通の発泡スチロールの箱は、簡単に手に入るけどほとんどのものは水漏れに注意だ。箱の中に厚みのある黒いビニール袋を入れるなどして、そこに液肥が貯まるようにしたほうがいい。
黒いビニール袋はサイズがいろいろあるから他の容器でも使うと、藻の発生を防いでくれ、栽培が終わってからそのまま捨てればいいので片付けが楽になる。うまく行けばアルミシートなどが不要になることもある。
薄い黒いビニール製ゴミ袋は破れやすく、液肥がもれていたことが多かったので、厚みのあるものを使ったほうがいい。
藻が発生すると汚いし発育にも影響があるから、光がはいらないようアルミシートやアルミホイルなどで容器をおおったほうがいいと思う。
過去の経験では藻の発生がなく、途中で液肥を交換することもなく青シソを栽培している。
ペットボトルの加工法

ペットボトルを2つにして、口のある上部は逆さにして下の胴部は液肥入れとして利用。ネジ切りされている辺りに苗をスポンジではさみセットする。
ペットボトルの飲み口(口天部)から7~9センチほどのところで、カッターやハサミで切断する。
このとき油性マジックで切断ラインを引いておくと作業しやすい。またカッターやペットボトルの切り口で手を切らないように手袋をはめたほうが安全だ。
切り口を処理して手を切らないようにする方法は、
・絶縁テープなど切り口にまく
・切り口をヤスリで滑らかにする
・熱で切り口をなめらかにする

例えば、アルミホイルを敷いたフライパンをあたため、ペットボトルの切り口を押さえつけると角が丸くなる。ただ、熱が弱いと柔らかくならない。
自分はこの方法が一番多いけど、火傷とフライパンを傷つけないよう古いものを利用したほうがいい。
切断する位置によっては、ペットボトルの上部を逆さにして下部に差すと落ちてしまうことがある。
対策として、下部(胴部)の切り口に100均のドアや窓用のすきまテープをはると落下防止ができる。
下部の切り口に熱を加えると、そこが丸くなりサイズが狭まり落ちなくなることもある。
このあと、藻の発生防止にアルミホイルやアルミシートですべてを覆い光を遮るようにする。
内側に黒いビニール袋をいれ2重にするとより藻の発生が防げ、後片付けがラクになる。
ペットボトルに苗をセット

ペットボトルの上部は逆さにし、飲み口(口天部)を下にする。その飲み口に青シソの苗をスポンジで挟み設置。
水耕栽培ポットから取り出すとき、青シソの根が絡んでいるので、ほぐしながらをスポンジと一緒に取り出す。
取り出した苗を、そのまま根をまっすぐ伸ばしながら飲み口に差し込む。スポンジが細すぎてすべり落ちそうなら別のものと取り替える。
ペットボトルの下部(胴部)に液肥をいれる。
液肥は微粉ハイポネックスを倍率1000倍になるよう水でとかしたものだ。
2Lのペットボトルなら付属の2g計量スプーン1杯をいれてよく振って溶かすと液肥ができる。
1Lのペットボトルだったら、スプーンの反対側が1g計量スプーンになっているから、こちらで1杯いれる。

ペットボトルの下部の液肥は、いつも青シソの根がつかるようにする時々チェック。

気温があがり葉の数が多くなってくると消費量が急に増えてくる。
元気な青シソの根は白いけど、葉がしおれていて元気のない株は、根が黒ずんでいる。

大きな葉を落とし、黒い根を切り欠くと元気になることがある。
収穫
葉が大きくなってきたら収穫をするけど、5度目の今回は収穫は22枚だった。
嫁も驚いていたけど気温があがると、急に成長が早くなるんだよね。
その分、液肥が早くへるので量をよく確認する。
収穫してから青シソの葉を束ね、コップの底の水に茎がつかるようにして、冷蔵庫で保管すると何日か持つ。

夏になると薬味のほかにキュウリの浅漬けなど使うことが多く、カツオの刺身にまいて食べたくなるんだ。
青シソの爽やかな香りが暑い夏にはピッタリだね。
摘芯と挿し芽
摘芯と挿し芽についてご紹介。
摘芯
青シソの摘芯の目的は、植物の成長を促し収穫量を増やすため作業だ。
丈が25~30cmほどになったら、主茎の先端をハサミや指で摘み取る。そのとき、脇芽を傷つけないように注意し、小さな葉の上をカットするといい。
摘芯することで植物の成長を制御でき、好みのサイズに調整できる。脇芽も大きくなったら同じように摘芯して大きさをコントロールする。
挿し芽
摘芯した茎をコップやドリンク剤のビンなどに水を入れてつけておくと、1週間ほどで発根できる。

場合によっては、藻が発生しないようにするには、水をかえたり遮光する。
これを育て古い株と入れ替えれば、繰り返し青シソを若返らせることができる。
根欠き(根切り)

根が増えすぎて容器の中がいっぱいになったときや、元気がない青シソの根が黒ずんでいたりしたとき、剪定し葉の数を減らし黒い根を根欠きする。
白くて新しい根がでてきて、再生できることがある。
害虫に注意
青シソの水耕栽培は、防虫対策がしやすいことと葉が柔らかいことから始まる。
畑で作っていたとき、まわりにいろいろな野菜があるので害虫のことは気にならなずに育ったけど、葉が固い。
土地を手放したので青シソをプランター栽培にかえたけど、害虫にやられて全滅する。
翌年、ネットで調べて防虫対策を施しても、虫のほうが一つ上だったので水耕栽培にかえた。
そんなこともあり、害虫には注意が必要だと思う。
例えば栽培中の青シソを屋外に出したり、室内に入れたりすると害虫が知らぬ間についている。
害虫によっては水耕栽培中の他のものも全滅させることもあるので注意だ。
栽培するとき、面倒な虫もいるので、屋外と室内は完全に分けたほうがいいと思う。
青シソ水耕栽培の材料や道具
水耕栽培のやり方でいろいろ変わるけど、今回使ったものをご紹介。
材料
・青シソの種
100均などで種を購入
・種まきできる箱
豆腐や漬物の容器、100均の各種容器など。透明なものなら根の張り具合がわかることもある。
・バーミキュライトとハイドロボール
100均で購入したけど、在庫がないときがある。
今回はバーミキュライトでけ種まきに使ったけど、ハイドロボールも水耕栽培にいろいろ利用できるので便利。

・手作り育苗箱
100均のプラスチックの各種容器とフタ用の発泡スチロールなど。ただし、吸水性のある材料は向いていない。
浮かせて根を張ることができる構造があればどんなものでもいい。

(100均で手に入れた材料で作ったもの)
・アルミホイルとアルミシート
藻の発生防止のためまわりをおおうために使う。100均で購入。
・水耕栽培ポットとスポンジ
水耕栽培ポットを使わなくても、穴のサイズにスポンジを合わせればいい。なお水耕栽培ポットにはいろいろなサイズがあるので、試してみて自分が使いやすいものがわかった。
スポンジは100均の台所用品も使う。


・ペットボトル
1~2.7リットル用
栽培容器に使用。液肥がもれないものなら容器は何でもいい。
こんなものだって液肥が補充しやすいフタを作れば使える。

・セロハンテープや絶縁テープ
・マスキングテープ(100均)
名札用で使う。
・ドアや窓用すきまテープ(100均)
100均にいろいろのものがある。
・黒ゴミ袋(100均)
ペットボトルの中に入れて少しでも光を遮るのと、使ったあと掃除が楽になる。薄いものだと破れて液肥がもれることがあるので注意。
・微粉ハイポネックス(500g)
アマゾンで買っているけど、液肥の元となる粉末肥料となるので重要だ。
別の液肥として「協和 ハイポニカ液体肥料 500ml(A・Bセット)」もあるけど、自分は使っていない。
主な工具
手持ちの道具類や100均のものも手に入れ利用している。

・カッターとハサミ各種
・電気ドリル
・ドリルセット
・ホールソー ドリルビット8本セット
いくつかのサイズで穴があけられる。
・テーパリーマ
穴を大きくするのに便利。
・タケノコドリル
これも穴を大きくするのに便利。
・発泡スチロールカッター(RHC-5V 87010)
カッターと違い、切り口がきれいだしゴミがでない。
・はんだこて
ペットボトルに穴をあけるのに使う。
・千枚通しやキリ
・ピンセット
・竹串や楊枝
まとめ
青シソは陰性野菜なので、少し日が当たる室内で水耕栽培ができる。
水耕栽培は、身のまわりにある容器などを利用して手軽にはじめられる。
液肥を後からも補充するので、栽培容器は作業がやりやすい作りにしておく。
絶対ではないけど、屋外と違い防虫対策をしなくてもいい。屋外に出した青シソを屋内にいれると、害虫を持ち込む可能性が高くやめたほうがいい。
液肥の微粉ハイポネックス(500g)は微粉なので水で溶かして使うことができ、1箱購入し普通に使っていれば長持ちするのでコスパが良い。
最後に、たいへん参考になる水耕栽培の先輩のブログがあるので、ご紹介。
いろいろな水耕栽培できる野菜や栽培容器を紹介されている。

